10月16日: HTMLの原点


まずい! 学期が始まって学生さんが頻繁にアクセスして来るようになった. 前期は大学院の授業と主題別教育科目という一般科目にのみWebを使っていた ので,さほどアクセスが多くなかったのだが,今週に入って激増している.プ ロクシーサーバーを介しているため,誰がアクセスしているかまではわからな いが,情報処理教育センターの端末からアクセスしていることだけは確かだ.

最初は授業用ページしか見ていなかったようなのだが,どうやら日記の最 初のところからほじくり始め,何時間も費やしている連中がいるらしいこ とに気づいた.しかし,10月以前の私のページはとても人に見せられるような書 き方ではない.こんなもんを真似されたら,えらいことや!!!

あわてて修正しようにも,あまりにもファイル数が多くて手に負えない. 毎日数ファイルずつ直して行くしかなさそう.とりあえず全ファイルのバック アップを取り,研究室のサーバーに転送.今日は4月分の日記だけを訂正しよう.

自分では読み返すことのなかった日記だが,今見ると内容的にも消去して しまいたいものが多数あるし,事実誤認とかいろいろ問題がある.が,なかな か思い切って消せない.というか,「な〜んもしらんけど,やってみよ」で始 めたパクリまくりのHTML奮闘記は消すにしのびないのだ.文法的間違いは少し ずつ修正していきますが,認識の誤りはそのままにしておきます.4月に 「HTMLの文法チェッカーはないのかな?」と言っているのが,9月末になって weblint を見つけ,かなりのショックを受けたことなど,順を追って読んでも らえれば面白いかなと思う次第です.

さて,HTMLは難しいかどうか.原理からすればやはり HTMLなん て全然難しくないのかもしれない.確かに基本はきわめて単純だ.が,正 しくない書き方をコピーして行くうちにひどいブロークンになり,しかもそれ がブロークンであることを本人が気づく機会があまりないことが問題だ.日常 の言語生活であれば他人がしゃべったり書いたりしているのを見聞して,自分 の言葉に修正を加えることもできれば,辞書をひもとくこともあろう.が,大 半の人は目にするページすべてのソースファイルを見ようとはしないだろう. また,自分の書いたものが異なった環境で読めるものかどうかを確認する手段がない.

さらに都合の悪いことに,どういうわけか「類友」現象---なんて言うと怒 られるかもしれないが---,不思議にある一定の仲間うちで間違った文法が流 行っている.ある人のページがひどい書き方だったとする.その人のページか らリンクされているその人のお友達ページを見ると同様におかしい.ソースを 見ると,両者ともに全く破格の文法で書いていることがわかる.

失礼だが,こういうのを見ると私は試験のカンニングを思い出す.:-)とて もお話にならないような作文答案があったとする.するとそれとそっくり同じ 答案がもう一枚あったりする.正しい答案が複数存在するのは理解できる.が, 間違った個所,綴り,さらには分綴(ハイフネーション)まできっちり一致して いる.(たまに写し間違いがあるが.)

で,カンニング学生を問つめると白状しますよ.それでトドメの一発:

ねえ,あんたら,なんで自分と同程度の人の答案しかカンニングでけへんのん? やるんやったらできる人のを見たらどないなん?
ごめんなさい,今日はちょっとキレているようですね.別に誰のことを言って いるわけでもなく,カンニング学生の話です.

しかし,正しく書ける書けないよりも,情報を伝えることのほうが重要で すから,今後HTMLは間違っていても適当にブラウザが解釈して表示してくれる ような曖昧度のより高いものにするか,あるいは間違っていた場合は,どのブ ラウザにおいても表示できないような規格にするかのどっちかだと思うのです.

ちょっと付け加えですが,HTMLにおける誤用の根本は,HTMLが 「マークアップ言語」であって,簡易組版でもなければ,いわゆるワープロで はないということを最初に認識していない人があまりにも多いことではないか? いや,そういう認識が一般に浸透する以前にWebがあまりにも広く行きわたって しまったとも言えるでしょうね.

自分の過去のおバカな日記を修正するために若干読み返してみて,私自身 がその点誤解していたことに気づいた.私はワープロソフトは使わないが, TeXはほとんどの書きものに使う.最初は私もHTMLをTeXと同列に考えていて, 「見た目」をどうするかに拘泥し,禁則処理できないことにがっかりし,文字 位置の調整やフォントにこだわっていた.

が,それはHTMLの本質とは違う.HTMLは元来そういうものではないのだ. データベースの検索に便利なマークアップを施すのが本来の目的だろう.この 点,古瀬さんの本でようやく認識したのだった.ずいぶんたくさんの本や雑誌 が「カンタンに作れるホームページ」なんて企画をやっているが,この一番根 本を宣言しているものは少ない.

良識ある編集者,そしてライターのみなさん,どうか「マークアップ」の 意味をぜひ最初に説明しておいて下さい.これは私からのお願いです!

過去のひどいページを何とかしなきゃ... 一時リンクをはずしておくかも. (これをやると リンクをたどった時,"Not foud"が出て不快なんだなぁ.)


[Index of Diary]「マルテの日記」に戻る.


[home]Click here for going back to my home page.


$Id: sk1016.html,v 1.1 1996/10/16 14:07:42 malte Exp malte $
Author: Kyoko Rikitake <malte@lang.osaka-u.ac.jp>
Copyright © 1996 by Kyoko Rikitake. All Rights Reserved.