コロンブスの卵 [10-Mar-1999]


神戸生まれ、神戸育ちの私にとって牛肉ほど好きな食材はない。肉とチョ コレートを切らすと「禁断症状」としてのイライラが出る(???)ほど好きなの だ。関東人(=夫)は、それを贅沢だと言うが、仕方がない。ことに夫の場合、 必ず私の食べる美味いものにはお相伴している(どころか、私よりたくさん食 べる)のだから、彼に文句を言われる筋合はない。

極度の内蔵下垂で悩んでいた頃 (このあたりの前後の古い日記 に具体的に書いてあります。)、肉および肉汁は絶対に禁止で、もう本当 に味気ない生活を送っていたのですが、鬱病の薬の作用で、どんどん太り、そ の結果今や胃下垂もそれほどひどくなくなり、再び、酒池肉林じゃない、肉三 昧の生活をしています。

ところが、ひとつ困ったことがあって、自宅ではあまり牛肉を食べませんでした。 肉屋で買うのは専ら豚肉。生姜焼にしたり、鍋料理に使ったり。たまに好き焼や しゃぶしゃぶをする時に牛肉を買う程度でした。

本当に一番家で食べたいものはステーキなのです。が、これは結婚当初何度か 作っただけで、その後家ではいただかなくなっていました。

理由は次の通り。

フライパンで二枚のステーキを同時に焼くのは不可能。また、仮に焼けた としても、次に肉汁を使って野菜炒めを作っていると、その間にステーキがさ めてしまいます。まさか一枚ずつ肉を焼いて、それから野菜炒めができるまで 夫に「おあずけ」を食らわすわけには行きません。ええ、きっと彼グレて私が 野菜を炒めている間に私の肉まで食べちゃうに違いありません。

そんなわけで、ずっと家でステーキを焼かなかったんです。

が、こないだ神戸のオリエンタルホテルで食事をして、「あっ、そうか!」 と閃くものがありました。

シェフは、まず肉を半分だけ焼いて、二人に出してくれます。それから、 野菜を炒めてくれます。その野菜を食べている間に残る半分の肉を焼くのです。

つまり、肉は二回にわけてサーブされるわけです。

あっ、そうか、それじゃ、家でもそうすればいいじゃないの!

というわけで、今日は

第一ラウンド: ニンニクを肉の脂で焼く。焼きあがったら皿に盛る。 そして肉を半分焼く。つまり二人で一枚ですね。

ここで、フライパンを火からおろし、肉を二つに切ってそれぞれひと切れ ずつ各自の皿に盛り、二人でゆっくり肉をいただく。

第二ラウンド: 今度は肉汁の残ったフライパンを熱して野菜を炒める。

そして野菜を二人で取り分けていただく。

第三ラウンド: 再びフライパンを熱し、ニンニクを炒めたあと、残りの肉を焼く。

そしてゆっくり食べる。

要するに、いっぺんに肉と野菜炒めがお皿に乗ったものを出そうとしなけ れば、いいわけです。

こんな簡単なことに気がつくのに7年もかかりました。馬鹿ですね。

でも、これ私にとっては「コロンブスの卵」的発想だったんですよ。ハイ。

ステーキは、大変おいしゅうございました。:-)


「マルテの草子」Index へ

「暗い雲」へ


トップページへ
$Id: sou990310.html,v 1.2 1999/03/10 12:07:08 malte Exp malte $

Author: Kyoko Rikitake <malte@k2r.org>
Copyright © 1999 by Kyoko Rikitake. All Rights Reserved.