半音低い世界での生活 [13-Apr-1999]


最近の我が家での会話。

風呂に湯が入ったら鳴るメロディーをきいて:

私: 「ありゃ、メロディーの音が低いよ。そろそろ壊れかけとるんやろか?」

夫:「いや、いつもと同じだよ」

漢方薬煎じ器の「できあがりメロディー」をきいて:

私: 「うん? 漢方煎じ器も調子悪いんとちゃう?」

夫: 「いや、何ともないよ」

さらに玄関チャイムの音をきいて:

私: 「へ? チャイムの音、間が抜けてるで。半音低いやん」

夫: 「???」

そして、ピアノを弾きながら、「おかしいなあ。こないだ調律したばっか りやのに、もう下ってるわ。」

この話の続きは後で。

さて、今日は脳波の検査を受けて来ました。「てんかん」の疑いがあった ためです。

結果を先に言えば、今回の脳波検査では「てんかん」特有の「スパイク」 という波が見られないので、てんかんではなさそう、ということでした。もっ とも何回も脳波を調べないことには、断言はできないが、という保留つきです。

じゃあ、いつも頭と目が痛くてチラチラする画面に異常に不快感を感じる のはなぜ?

脳波は正常だったらしいのですが、一緒にとっていた「筋電図」がどうも 「異常に緊張している」状態だったそうです。

あ、わかった! 脳波検査で点滅する光を目をつぶったままの状態であてる のがあるんですが、その時、ものすごく顔面が痙攣しました。正確に言えば、 目のまわりおよび瞼の筋肉が痙攣して震えました。

これが、私がいつも言う「チック」。

正式な病名(?)はきいたものの忘れてしまいましたが、どっちにしても疲れ ている時や緊張している時に起きる現象で、原因などまだわからないことが多 い病気(?)らしいです。

じゃあ、原因がわからないなら、治療は?

残念ながら、あまり決定的なものはないようです。一応痙攣止めの薬を処 方してもらっていますが、必ずしもいつもきくわけではありません。

やれやれ。今後もこのチラチラに対するチックとおつきあいですか。

さて、冒頭の会話ですが、これ、ある薬に対する私の反応なんです。

薬は、てんかんや、躁鬱病、それから三叉神経痛に効く「テグレトール」 というものなのですが、副作用としてふらつきや、眩暈、眠気、発疹などがか なり報告されています。私はこの薬を三叉神経痛、そして偏頭痛の治療用に もらっています。

私は自分の聴覚がこの薬の作用下にある間、異常になることに気がつき、 インターネット上のデータをあさりまくったのですが、聴覚に関しては、「耳 鳴り」、「聴覚異常敏感」しか見つけることができませんでした。

世の中の音が半音低く聞こえるなどという副作用報告はまったくありません。

で、この話を主治医にしたところ、ずいぶんと驚かれました。

何と他にも一人だけ、「音が半音低くきこえる」と訴えた患者さんがいた そうです。主治医もこの副作用についてデータを調べつくしたそうですが、そ のような副作用報告はなかったそうです。しかし、私で2例目がでたので、た ぶん音が半音だけ低くきこえるという副作用はホンモノと考えられそうです。

ひぇー、そんなことってあるの! この話題で先生とすっかり盛り上がってしま いました。

しかし、どうして、この副作用が今まで報告されなかったか?

この副作用を感じることができるのは、「絶対音感」を持っている人だけ だからです。相対音感(普通の音感)の場合は、全体が半音下がっていれば、す ぐにそれに適応してしまいます。だから、この副作用を申告する人がいなかっ たわけです。

絶対音感は持っていると非常に便利ですが、しかしかえって不便なことも あります。私は古楽器での演奏を聞いていると気持わるくなります。ピッチが 低いからです。あと、オーケストラでもバイオリンは弾けません。中央の A=443 Hz だったりすると、わけがわからなくなるのです。私の持っている基 準は A=440 Hz なのです。

いずれにせよ、この音感のおかげで、頭痛と三叉神経痛を抑えようとすれ ば、半音低い、ちょっと間の抜けた音の世界で生活せねばなりません。しかし まあ、今回は脳波に異常がなかったので、良しとしましょうか。


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Author: Kyoko Rikitake <malte@k2r.org>
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